私の経験では「チガカッタ」という表現は、言葉をまだうまく話せない幼児が、その発育段階の途中でよく使う表現である。次第に言葉を覚え「てにをは」の使い方を身に付けるにつれて少しずつ正しい日本語を話せるようになると自然に矯正されていくものであった。しかしそれが直されることなく、そのまま成長して大人になってしまったらしい。
先日、最近始まったばかりのラジオ番組を聞いていたら、新任のパーソナリティが、「それ、チガクナイ?」という表現を連発しているのを耳にして再び仰天することとなった。ゲストの若者が使ったのではありませんよ、パーソナリティというのは番組のホスト役ですから、その大人が使っているのです。驚きましたねぇ。
「チガクナイ」もその発生経緯は「チガカッタ」と同根のものであろう。こういった使われ方を見ていると、おそらく使い間違いと言うより「若者言葉」の一つとみなされて大衆に受け入れられていくのかもしれない。
若者言葉と呼ばれるものを私はできるだけ理解しよう(*)と努力してきたが、最近少し考えが変わってきている。若者が使う言葉の中の明らかな使い間違いは、しっかりと指摘して矯正してやるべきではないか。
【注】(*)理解はするが、自分で使おうとは決して思わない。たとえば、若者がよく使う「全然、大丈夫です」という表現にしても、本来は「全く、大丈夫です」というべきものである。これは「全然」と「全く」の使い分けができないのが原因である。あるいは「全く」という表現が存在することを知らないだけの話しかもしれない。つまり“無知”に起因するものである。若者言葉だからと一括りにして容認したりすべきではないと思う。
ところで「チガカッタ」は若者言葉なのだろうか? それとも単なる使い間違いなのだろうか? 分からないなぁ。■
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