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 ── 素数の音楽 私の本棚を紹介します。
 
 
 第24回は、素数の音楽という本を取り上げます。
 
 
 上掲写真は
 ・「素数の音楽」
 です。
 
 周知の通り「素数」というのは数学の世界では最も注目度の高いテーマですから、どちらかと言えば技術書という分類に属する本でしょう。しかし素数の研究に取り組んだ数学者たちの業績、歴史、あるいはその裏にある人間臭い数々のエピソードを読んでいると、面白くて、面白くて、思わずのめり込んでしまうのです。もちろん数式も沢山出てきますが、意味を理解するのにそれほど苦労することはないでしょう。一般書と思って気楽に読むことをお勧めします。
 
 
 【解説欄】
 
▼素数の音楽大きく分けて、次の三つの話題から全体が構成されています。
 (1)リーマン予想
 1 からある自然数 n までの間に素数がいくつあるか、その分布はどのように変わるか。この問題の解決に寄与すると思われる「リーマン予想」に取り組んだ人々の記録です。
 (2)コンピュータの時代コンピュータを用いて巨大な素数を見付ける競争の時代となりました。公開鍵方式での暗号化が可能になるからです。しかし素因数分解が簡単にできる方法さえ見つかれば、今のeビジネスの根幹が崩れてしまう危険性もあるのです。
 (3)素粒子との共通性数の元素でもある素数の分布(つまりゼロ点の分布)と素粒子の元素のエネルギー準位との間に共通性が見出されました。つまり、数学者の考える元素と物理学者の考える元素との間に共通の性質があることが分かってきたのです。これからの協力が重要になってきました。
  私が特に関心を持ったのは(3)です。興味のある方は是非本書を読むことをお勧めしたいと思います。
   ( カバーの表紙 )
 
 
 
   ( 本体の表紙 )
 
 
 
   ( 扉 )
 
 
 
     (目次:11章,12章)  (目次:1章…10章)
 
 ▼著者
 著者のデュ・ソートイは、オックスフォード大学数学研究所の教授であり、科学啓蒙という分野への業績により大英帝国勲章を受章している。
 
 
  マーカス・デュ・ソートイ
 (Marcus du Sautoy)
 ▼本の詳細
 
 (1)「素数の音楽」THE MUSIC OF THE PRIMES, Copyright (c)2003 by Marcus du Sautoy:2013年10月1日 発行, マーカス・デュ・ソートイ(Marcus du autoy) 著, 冨永星 訳, \890 新潮文庫 シ-38-1, ISBN978-4-10-218421-9 C0198
 
 
   
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