![]() ── いろいろな“解答”が届きました![]() “今だから話そう(4)”で「幾何の問題・正解集…」を紹介しましたが、例の幾何の問題の公表後 私の所に送られてきた“解答”なるものの幾つかをここで紹介したいと思います。かなり前のことになるので、私めの“記憶の引出し(*1)”をフルに活用する必要がありそうです。 【注】(*1)「記憶の引出し」については別途紹介します。 ![]() 問題自体は一見易しく見えるので「5分で解けた」と誤解する人が多いのですが「2分も掛からなかった(!)」という超短時間で解けたという報告が届きました。ただ、届いたのはメールの文章で以下の2行だけで証明そのものはありませんでした。
以下は、それに対する私の返信です。
その後、20数年が経過しましたが未だ何の音沙汰もありません(*2)。多分勘違いだったのでしょう。 【注】(*2)この解答者は、Webメールを使っていたので今では連絡が取れません。それにしても高校3年生(当時の)が挑戦してくれたのは嬉しいことでした。解答なるものを見せてもらえなかったのは残念ですが。 もっとも「5分で解けた」という類いの報告では、その後解答が送られてきた事例はありません。音信不通になるのはいつものことなのです。多分、解けたと勘違いし証明を書くことすらしなかったのでしょう。 テストに限らず問題が解けたと思ったら先ず証明を書いてみることです。その間に自分の勘違いに気付いたかもしれません。そして最後に日時と自分の名前を記しておくことが大切です。これでは、テストの問題が解けたのに、白紙のまま名前も書かずに答案用紙を提出するようなものです。 聞くところによると、高名な数学者のもとには「未解決の難問を証明した」と称する郵便物がよく届くそうです。そういうとき、受け取った先生は内心後ろめたさを感じながらも、そのままそっくりゴミ箱に捨てるのだそうです。もしかすると、それまで誰も思い付かなかったような方法で正しく解かれていたかもしれませんが、その可能性はほぼゼロに近いでしょうから読むのは時間の無駄なのです。妥当な判断だと思います。 しかしこの問題はそんな未解決の難問ではありません。私も偉い学者ではありませんから、送られてきた解答はすべて目を通すことにしています。そして解答を読んでから感想を述べたかったのですが、残念なことでありました。 ![]() 次の例は、普通郵便の封書で送られてきたものです。現在では、その文書そのものは手元に見当たらないので記憶だけを頼りに書くことにします。 手紙はフルスカップ(*3)に手書きされたものでした。学生ではなく私と同年配の人のように思われました。 【注】(*3)フルスカップとはレポート用紙のように1枚ずつ切り離せる用紙で5ミリほどの間隔で横罫線が施されているものです。罫線はコピーすると見えなくなるので便利です。用紙は薄くて書きやすいので大学時代のレポートはこれに書いて提出することが多かったと記憶しています。証明には一部不明確な所があり(私には少し論理の飛躍があるように思えた)、数回のやり取りで手直しが行われ最終的に正解ということになりました。 この間、私はフルスカップに手書きされた文面を眺めながらこの解答者はどういう方なのかと考えていました。フルスカップは大学ごとに作られていることが多いので大学名が印刷されていたり、大学のマークの透かしが入っていたりします。仔細に観察するうちに私は大学名を判別できてしまったのです。どうやら解答者は大学の関係者のようでした。多分、大学の先生かもしれません。そう思うと私は急に心配になってきました。今まで何度か手紙のやり取りをしてきたので失礼が無かったか、保存してあった手紙のコピーを読み返すことになりました。 幸い、普段から社内の電子メール環境のもとで文章作成では鍛えられていましたからミスはなかったようです。社内の掲示板上で交流のある方々は、お互いに地位も年齢も顔さえも知らない場合が多いのです。普段からどんな人とでも同じ文体で礼儀正しい言葉遣いで文章を書くようにしていましたから、相手が企業人だろうと先生であろうと、あるいは学生や子供だろうと常に同じ調子で書いてきました。特に問題となりそうな表現はなかったのでホッとしました。 ただ、最初に名前を見たときからどこかで見た名前だなとは思っていました。どこかでお会いしている人かもしれません。大学名が分かった時点で「もしや‥‥」と思っていたのですが、私は1年程前に求人のためこの大学を訪問していたのです。そのときの記録を確認すると、間違いなく当時お会いした就職担当だった教授の名前であることが分かりました。 早速、私は気がつかなかった失礼を詫びる手紙を先生に書いたのですが、先生の方は先刻承知の上で何も触れずに問題の解答を寄せられたのだと思っていました。しかし先生からの返信によると、先生自身も気が付かずに手紙を書いていたことが明らかとなりました。珍しい経験をしたものです。 ![]() 東芝社内の方からは敗北宣言のメールが届きました。それを受けて、私が掲示板に載せた報告が以下のものです。
![]() 読者からは「絶対に自分で解きたいから公開はしないで欲しい」と言われているとこれまで公言してきましたが、現在ではそれをどこで読んだかは思い出せません。「本当かよ?」と疑われないよう証拠を示しておいた方が良いと考えました。 そこで試しに、メーラー上で「公開しないで」をキーにして検索したところ、以下のものが引っ掛かりました。私信なので一部だけ切り取って紹介します。全面紹介するには、本人の了解を得る必要がありますが、現在は連絡が取れない状態なのです。心当たりの方は連絡を頂けると有難いのですが。
私の他の投稿に対するコメントをメールで頂いたのですが、「私信:伏せ字 と 雑談」というタイトルで、その中に書かれていたものでした。日付は「Date: 11 Dec 1995 14:08」となっていました。 周知の通り、既に正解集は公開されています。期待に応えることができず申し訳なく思っております。 ![]() |
2021年2月23日火曜日
今だから話そう「幾何の問題 後日談」
2021年2月17日水曜日
トランプ・ニュース?
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