2019年12月3日火曜日

私の本棚(47):PLAYBOY「この人の書斎が見たい!」




── PLAYBOY [日本版]No.399 April 2008


 私の本棚を紹介します。
 第47回は、
  PLAYBOY [日本版]4「この人の書斎が見たい!

を取り上げます。
 なお、既に紹介済みの本の一覧は の目次欄から参照することができます。

(1)「PLAYBOY [日本版]No.399 April 2008 4「この人の書斎が見たい!」 」
 この本は、アメリカのPLAYBOY誌の日本版で「月刊プレイボーイ」と呼ばれています。日本版では日本語に翻訳するだけでなく、日本の読者のための記事を増やすなどして再編集されています。

 
( 表紙 )        ( 裏表紙 )

 裏表紙は全面広告ですが、左縁と下縁に出版に関わる情報が表示されているので、関心のある方のためにそのまま掲載しました。

【解説欄】
▼(1)「PLAYBOY [日本版]No.399 April 2008 4「この人の書斎が見たい!」 」
 この2008年4月号では「この人の書斎が見たい!」というテーマの特集記事が掲載されていたので私は購入しました。

▼内容
 特集記事では、内外21名の著名人の書斎が紹介されています。

▼目次

 ( 特集記事に関する目次 ) 


 ( PLAYBOY誌全体の目次 ) 


■この人の書斎が見たい!

「書斎というもの」というタイトルで佐山一郎氏の文章
が添えられています。写真は吉本隆明氏の書斎です。


▼石田衣良氏の書斎

 ( 石田衣良氏の書斎 ) 

▼ピーター・バラカン氏の書斎

 ( ピーター・バラカン氏の書斎 ) 

▼鹿島茂氏の書斎

 ( 鹿島茂氏の書斎 ) 

▼高野孟氏の書斎

 ( 高野孟氏の書斎 ) 

▼内田樹氏の書斎

 ( 内田樹氏の書斎 ) 


▼立川志らく氏の書斎

 ( 立川志らく氏の書斎 ) 


▼吉田司氏の書斎

 ( 吉田司氏の書斎 ) 

▼林望氏の書斎

 ( 林望氏の書斎 ) 


▼佐野眞一氏の書斎

 ( 佐野眞一氏の書斎 ) 


▼中平穂積氏の書斎

 ( 中平穂積氏の書斎 ) 

▼谷沢永一氏の書斎

 ( 谷沢永一氏の書斎 ) 

▼吉本隆明の書斎

 ( 吉本隆明の書斎 ) 

▼徳大寺有恒氏の書斎

 ( 徳大寺有恒氏の書斎 ) 

■世界の名作が生まれた書斎


▼ガブリエル・ガルシア=マルケス

 ( ガブリエル・ガルシア=マルケスの書斎 ) 

▼ミシェル・フーコー

 ( ミシェル・フーコーの書斎 ) 

▼ジョン・アーヴィング


 ( ジョン・アーヴィングの書斎 ) 

▼ウラディミール・ナボコフ

 ( ウラディミール・ナボコフの書斎 ) 

▼カート・ヴォネガット

 ( カート・ヴォネガットの書斎 ) 

▼イアン・フレミング

 ( イアン・フレミングの書斎 ) 

▼サルマン・ラシュディ

 ( サルマン・ラシュディの書斎 ) 

▼ギュンター・グラス

 ( ギュンター・グラスの書斎 ) 

■理想の書斎にふさわしいモノたち
▼机

 ( 気持ちを安定させるデスク ) 

▼椅子

 ( スポーツシューズ的な椅子 ) 

▼照明

 ( 意識を集中させるデスク・ランプ ) 

▼私の書斎と椅子について
 私は自分の書斎を作るにあたって、これらの記事をよく読んで参考にさせてもらった。
 先ず第一に、書斎にあるべき本棚は人に見られても恥ずかしくないものでなければならないということを学んだ。そこで「私の本棚」は書斎の奥に書庫を作り、外からは窺い知れないようにした。恥ずかしいものは他人に見せない、その代わり見せても良いものだけは惜しげもなく他人に見せると言う方針で、私のホームページ上に「私の本棚」という欄を作って紹介することにした。

 書斎で使う椅子についてもこれらの記事は大変参考になった。どうやらハーマン・ミラーの椅子が良いらしい。内外の多くの方々が使っているのがこの記事からよく分かった。

 早速購入したのは、ハーマン・ミラー(Herman Miller)のアーロンチェア(AE123AWB)である。かなり高価ではあったが、パソコンに向かっていると肘が疲れたり腰が痛くなったりするが、それらを微妙に調整できる構造になっている。

 ( HermanMiller のアーロンチェア ) 


▼本の詳細
(1) PLAYBOY [日本版]No.399 April 2008 4「この人の書斎が見たい!」:プレイボーイ 第34巻 第4号, 平成20年4月1日発行, 定価780円(本体743円), 集英社
雑誌 07717-04, 4910077170482, (c)Shueisha 2008


<! **一般用カウンター** >

2019年12月1日日曜日

キャッシュレス




── 支払いはスマートに


▼キャッシュレスとは
 キャッシュレスの時代だそうである。
 “キャッシュレス”とは、現金(cash)を使わずに電子的処理によって手軽に支払いを済ませることを指すらしい。10月からの消費増税に合わせて政府はキャッシュレス決済を推進させようとしている。そのために国によるポイント還元の制度を導入し消費者の関心を引こうとしているのは周知のとおりである。

 あえて「キャッシュレス」などと呼ばなくても、昔から現金を使わないで決済できる方法はいろいろとあった。たとえば小切手がある。

▼小切手の時代
 小切手(チェック:cheque/check)の中でも、海外旅行で使われるトラベラーズチェック(旅行小切手、T/C)がよく知られている。私も数週間程度の海外出張では便利に利用していたものだ。現金を持ち歩くのは危険だから、できるだけトラベラーズチェックにして持ち歩くと便利であった。たとえ落としたり盗まれたりしても、被害を最小限に抑えることができる(*1)
【注】(*1)トラベラーズチェックの利用は、2014年に終了している。
 半年以上の長期間の海外生活になるとトラベラーズチェックでの支払いでは面倒になる。普通は現地で銀行口座を開いて現金を預け、そこから小出しに引き出して利用するようになる。これでやっと普通の海外生活が送れるようになる。

▼クレジットカードの時代
 その後 日本でもクレジットカードが盛んになり私もこれを手に入れて利用するようになった。
 これは商品を後払い決済で購入する方法と思えばよい。契約者ごとの識別番号とその他の情報が記録されたカードを利用する。顧客のクレジット(信用)により後払いを可能とする方法だから、引き落とされる金融機関の口座番号を登録しておく必要がある。

 クレジットカードを手に入れるには、信用が大切だから身元調査等の厳しい審査を通らなければならない。
 クレジットカードを手に入れても、日本ではまだまだ制限があって使えない場所が多い。たとえ使えても、クレジットカードの種類によっては使用を断られることがある。そういうときのために複数個の主要なカード(Visa,UC,Master等)を保持していなければならない(*2)
【注】(*2)最近、新たに別のクレジットカードの申請をしたのだが、後期高齢者となった今では、更に厳しい審査が待っていた。電話が掛かってきて、いろいろ質問されて本人確認までされたのには驚いた。
 私は一人での支払いのときは必ずクレジットカードを利用しているが、友人たちと一緒で(割り勘で)支払いをするようなときは、その場の流れを尊重し現金払いにしている。

 しかし齢を重ねるとお金の計算が面倒くさくなる(実は苦手になる)。義母が元気だったころ買い物を手伝うため一緒にスーパーへ行くと義母は何時も万札を出してお釣りをもらおうとする(計算などしたくないのだ)。これが習慣になってしまっていたから、お釣りとして受け取った小銭で財布が膨れ上がりどっしりと重くなっていた。

 私も齢を取り同じ年代に近づいてきているので、1ケ所だけは常に現金払いにする所を決めてスマートに支払いを済ませる訓練をしている。日頃から利用しているスーパーでは、できるだ釣銭が発生しないよう1円とか5円の小銭を用意していて購入額ピッタリの額で素早く支払う訓練をしているのである。

 最近はポイントサービスを利用している店が多いので、関心のある人は利用すると良い。関心がない人はスルーする。これで若者も高齢者もそれぞれの個性に合わせて利用する体制ができていた。ところが、国がポイントを利用して自らの政策を押し進める手段として利用するようになってから様子がおかしくなってきたように思う。“ポイント還元策”はその最たるものであろう。

▼交通系カード
 SuicaやPasmoの時代では、電車の乗り降りが楽になった。更にオートチャージの機能を登録しておけば、交通費のことはほとんど気にしなくて済むようになった。クレジットカードは受け付けないが「交通系のカードなら・・・」と言う店も多くなってきている。駅中での買い物にも使えて、至極便利になってきている。

 更に、交通料金もポイントの対象になったのでSuicaやそれと連携するクレジットカードを新たに作る人が増えてきた。高齢者のキャッシュレス決済はこれを利用するとかなり楽になると思われる。

▼スマホ決済にチャレンジ
 これまで私は、キャッシュレスの時代になってもクレジットカードや交通系カードの利用で対応すれば充分だろうと思っていた。

 しかし生活がスマホ中心でまわるような時代となり、しかも国が“ポイント還元サービス”などというものをスマホ利用を前提に導入したのを知ってからは、私もスマホ決済に挑戦しなければいけないと思うようになった。

 そこで、スマホ用のアプリの中から適当な決済アプリを選んでダウンロードし、インストールが完了するとすぐさま使い方を手探りで勉強し始めた。普段の買い物で利用できるようになろうと思ったのだが、これが結構難しいのである。分からない所は娘に聞きながら、断続的に努力を重ねて何とか自力ですべての設定が完了した。ここに到達するまでにかなりの時間を要してしまった。

 スマホ画面に表示される説明文では(文字が小さいこともあり)充分に理解ができないため、パソコンからもアクセスして同じ画面でじっくりと読んで内容の理解に努めた。やはり、私にはパソコンの方が使い勝手が良いようである。

 こうして設定が完了すると、私は10月の増税開始にそなえて9月の初め頃からスーパーやコンビニでの買い物に利用して実地訓練を重ねていった。レジの店員さんに迷惑を掛けながらも、何とか使いこなせるようになってきた。

 スマホ決済にもいろいろな方法がある。私は自分の好みの方法を一つ身に付ければ良いのだろうと思っていたが、現場実習で学んだことは“方法”を選ぶのは店側である! という至極当然の事実であった。

 以下の感想は、たまたま私のスマホにインストールされていた決済アプリを、たまたま私が飛び込んだスーパーで使ったときの経験に基づいている。
(1)お任せ型
 ・スマホで支払いアプリの画面をレジ係に掲げて、専ら店側の
  人が適当に読み取ってくれるのを待つ
(2)セルフサービス型
 ・レジで自分が使う支払いアプリの名称を言う
 ・レジの周辺に店側のQRコードが表示されているから、それを
  見つけて自分のスマホに読み取らせる
 ・レジ係の言う金額を支払いアプリの画面に入力する
 ・その画面をレジ係に見せて数字に間違いがないか確認を取る
 ・OKが出たら、スマホ画面上の支払いボタンを押す
  (要するに目の前のレジ端末に送信するのではなく、スーパーの本店に送信
   したことをレジ係に確認してもらう、ということです
)

 (1)のお任せ型が一番楽だが、世の中はそんなに甘くない。私の経験では最初の頃はお任せ型が通用する店はほとんどなかった。大抵は(2)のセルフサービス型しか使えない。私は、何か店側の下働きしているような気分になった。

 このやり方を強いられるとしたら高齢者は対応に苦労することだろう。買い物をする店ごとに求められる操作法が異なるとしたら、買い物に行くのを嫌がるかもしない。それより、現金払いが一番だ! と思い込んでしまうだろう。現金払いならどこの店でも同じなのだから。

 私と同年配の友人達にキャッシュレスに関わる話題を提供しても彼らは誰一人として興味を示さなかった。高齢者はこういう手間の係ることには手を出さないものだ。電話サギのようだが「税金の払い戻しがありますよ」と言えば関心を持ってくれるかと試してみたが「私は買い物などしないから! 」と言い張って話に乗ってこない(頼もしいではないか。電話サギにもこう対応して欲しいものだ)。キャッシュレスは高齢者に向けてする話題ではない、とようやく私は気が付いたのであった。

 中国では広くキャッシュレスが普及しているそうだ。逆に現金では買い物ができないというではないか。なぜ中国では高齢者を含めて広くキャッシュレスが普及しているのだろう。中国の高齢者はどう対応しているのだろう。彼らは日本の高齢者より頭が柔らかいのだろうか。

 最近中国を旅行した人が話しているのをラジオで聞いた。
 中国では現金は使えない。クレジットカードを持っている人はいない。誰でもスマホでQRコードを読ませて支払いを済ませている。お金は自分の銀行口座から即座に引き落とされるトカ。
 流しのタクシーも止まってくれない。外国から来た人はホテルから乗るか、あるいはスマホで予約しないと乗れない。それができなければ、つまりは信用されないのだトカ。
 自分の銀行口座が中国にない旅行客にとっては買い物も移動もままならないことになる。

▼高齢者も使える環境を
 日本でも、キャッシュレス決済はもっと簡便に! かつ画一的な手続きに! しないといけないのではないか。決済アプリで遅れを取らないよう各社が競って似て非なるものを発表しているが、余りにも多様な手続きが乱立しているのではないか。

 更に、政府は「マイナンバーカードで25%マイナポイント還元」と言い始めている。またまたおかしな還元策を行うらしい。しかも手続きは複雑怪奇で、とても高齢者のことを考慮に入れているとは思えない。

 高齢者にはクレジットカード、交通系カードあるいはキャッシュカードの利用だけでキャッシュレス決済ができるよう分かり易い環境を整えるべきである。

 ただ、この種のカードの支払い手続きでは、カード番号、有効期限、セキュリティコードなどの情報は目視で簡単に盗み取られてしまうから、高齢者が狙われ易い。第三者には決してカードの手渡しをしないで済むような利用方法が確立されることを期待したいものである。

2019年11月9日土曜日

「私が耳にした健康情報」をアップデートしました



   ━━ 【健康情報】「免疫力」と「帯状疱疹


音声を聴きながら読むことを推奨します

【健康情報】欄( http://www.hi-ho.ne.jp/skinoshita/Kenko-info.htm )に
 「免疫力」と「帯状疱疹」を追加しました。

免疫力」を追加 (2019-11-1)
   http://bit.ly/Kenko-info#menekiryoku

帯状疱疹」を追加 (2019-11-1)
   http://bit.ly/Kenko-inf#taijyouhoushin

  【健康情報】欄を初めて訪れる方は、正面入口からどうぞ。
   http://bit.ly/Kenko-info

2019年11月5日火曜日

私の本棚(46):般若心経




── 般若心経


 私の本棚を紹介します。
 第46回は、 図説 般若心経 を取り上げます。

 なお、既に紹介済みの本の一覧は の目次欄から参照することができます。



(1)「図説般若心経」
 般若心経では仏教の真髄が古代文献独特の表現で記述されていますが、簡潔にまとめられたその深遠な内容を、この本では我々日本人が容易に理解できるよう豊富な図を用いて詳述されています。

 
( カバー付きの表紙 )   ( カバー付きの裏表紙 )


 ( カバーなしの本体表 ) 


 ( カバーなしの背文字と本体裏 ) 


【解説欄】

▼図説 般若心経
 般若心経というのは、八万四千余りあるといわれる仏典中でも最短のものだそうで、本文はわずか二百六十二文字(*1)からなっています。この短い字数の中に仏の教えの真髄が余すところなく述べられているわけです。お経をとなえるとき、これさえ憶えていればよいのですから至極便利なものです。

【注】(*1)262文字というのは本体の字数です。
  般若心経の全文は以下の通り

  心経
  観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五
  蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不
  異色色即是空空即是色受想行識亦腹如
  是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄
  不増不減是故空中無色無受想行識無眼
  耳鼻舌身意無色聲香味觸法無限界乃至
  無意識界無無明亦無無明盡乃至無老死
  亦無老死盡無苦集滅道無智亦無得以無
  所得故菩提薩垂依般若波羅蜜多故心無
  堯礙無堯礙故無有恐怖遠離一切転倒夢
  想究境涅槃三世諸佛依般若波羅蜜多故
  得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜
  多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等
  呪能除一切苦眞實不虚故説般若波羅蜜
  多呪即説呪曰
  羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶

  摩訶般若波羅蜜多心経

なぜ般若心経を学ぶ気になったのか
 この本は、義父から形見として頂いたものです。そのままずっと私の本棚に置かれていたのですが、あるとき般若心経を私も勉強してみようと思い立ったのです。それは、この中にコンピュータの構造と同じではないか思われる記述があると知ったからです(詳しくは素歩人徒然(45)を参照)。

 本文の1-2行目にかけて「照見五蘊皆空度一切苦厄しょうけんごうんかいくうどいっさいくやく 」(しょうけん-ごうん-かいくう-どいっさい-くやく)という表現があります。五蘊ごうんというのは人間をとりまく世界を構成している五つの力・作用のことだそうです。つまり「五蘊は皆空なりと照見したまい(見極め)一切の苦厄を度したもう」というくらいの意味でしよう。

 この五蘊を構成する五つの力とは、具体的には現象界に存在する「色受想行識しきじゅそうぎょうしき」(しき-じゅ-そう-ぎょう-しき)のことで物質と精神の諸要素を指しています。

つまり、
 色蘊しきうん が物質及び肉体(目に見えるものの世界)、
 受蘊じゅうん が感覚・知覚(受け止める働き)、
 想蘊そううん が概念構成(伝達、ものを想う作用)、
 行蘊ぎょううん が意思・記憶(実行する力)、
 識蘊しきうん が純粋意識(認識作用)、
のことなのだそうです。

コンピュータの構成要素との関連(これは私見です)
 実は、これがコンピュータの五つの構成要素に対応しているのではないか、と思うのです。この事実を頭に置いて以下のように並べてみました。
 この「五蘊」がコンピュータのハードウェアを構成する5つの基本要素(制御、入力、演算、出力、記憶)に対比させることができます。

  がコンピュータの制御システム全体(ハードウェア)、
  が入力処理、
  が判断をするための演算処理、
  が出力処理、
  が記憶処理(知識データベース)
に相当しています。
 最近のコンピュータでは「ビジブル」ということが重視され、実行結果を表示する出力画面が利用者にとっては「実行」そのもののように捉えられますから、まさに“行”が出力装置に相当すると言えるのではないでしょうか。
 一方、記憶装置は単なるメモリではなく膨大な知識データベースと捉えると、その上での検索や認識処理がまさに“識”に相当すると考えて良いでしょう。そしてこれら全体を管理し制御するのが“色”ということになります。

 この様に、初期のコンピュータの時代では理解できなかった般若心経の表現の数々が、データベース・エンジンや検索エンジンの登場、そしてネットワークがコンピュータの典型的な姿になってくるのにともない、般若心経の教えがより深い意味合いを持って我々に迫ってきます。コンピュータの技術進歩と相まって、益々その意味の深さが見えてくるのではないかと思うのです。不思議なことですね。

 本文3-4行目に「色即是空空即是色受想行識亦腹如是しきそくぜくう くうそくぜしき じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ 」(しきそくぜくう-くうそくぜしき-じゅそうぎょうしき-やくぶにょぜ)という表現がありますが、

 この意味は、
・色(しき)は即(すなわ)ち是()れ空(くう)なり、
・空(くう)は即(すなわ)ち是()れ色(しき)なり、
・受想行識(じゅそうぎょうしき)も亦腹(また)是(かく)の如(ごと)し
と読み下すと分かると思います。

 受、想、行、識もすべて同じですよ、と言っているのです。
つまり、
 受(じゅ)は即(すなわ)ち是()れ空(くう)なり、
 空(くう)は即(すなわ)ち是()れ受(じゅ)なり、
 ・・・・(以下同様)
ということです。

空とは
 本文2-3行目に「色不異空空不異色しきふいくう くうふいしき 」(しきふいくう- くうふいしき)とありますが、著者 金岡秀友氏の解説によれば
「色」は眼に見える現実の世界を指し、「空」は「色」の背後にある永遠不変の真実を指す。したがって「色不異空」は、「眼に見える現実が、そのまま眼に見えぬ不変の真実そのものなのである」ことを意味し、その逆の「空不異色」は、「真実がどこか別にあると思ってはいけない。真実は、眼の前の現実世界そのものなのだ」ということを意味している。

▼内容
・見開き扉

( 見開き扉 )


・各種の般若心経

( 各種の般若心経 )

・仏説摩訶般若波羅蜜多心経

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

・観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時


・照見五蘊皆空度一切苦厄

照見五蘊皆空度一切苦厄


▼著者

金岡秀友
( 1927 - 2009-7-23 )


▼本の詳細
(1) 金岡秀友 図説 般若心経 :昭和57年11月25日 第1刷発行, 昭和58年4月20日 第3刷発行, 著者 金岡秀友, 発行 株式会社 講談社, 定価 1200円,
(c)講談社 1982年, ISBN4-06-200325-2